涼×蘭
「そんな事言ったらそこの子も一緒でしょ? 俺は鷹から離れないよ。絶対に」

と、そこで今まで茫然と自失していた鷹が割って入る。

「……とりあえず今日はもう寝ましょうつーか寝ろ。俺は疲れてるんですクズ野郎共が。涼は稽古をつけますし、悠斗はギリギリまで相手してやるから」

「うん!」

「え? ちょ、鷹?!」

くるり、と回転し襖を開けた鷹を涼が呼び止める。

「何です?」

「どこ行く……の?」

「決まっているじゃありませんか」

ちらり、と悠斗に視線を落とし、悠斗の頬を自由な方の手で撫でる。

「た、か……?」

まさか頬を撫でられると思っていなかった悠斗は驚いて頬を赤らめる。

「自分の部屋に戻り、楽しむだけです。ねぇ、悠斗?」

「……そうだよ」
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