涼×蘭
「かず……き?」

「うえっ!? 雛っ!?」

悶々としていた所で急に後ろから呼ばれ、驚いた一輝を雛はきょとん、とした顔で見た。

「んー……?」

「ごめん、起こしちゃった?」

「んー……」

「えっ、ちょ、雛っ?」

「百合さん、いない……?」

「う、うん。いないよ」

起こしてしまったのか、と謝った一輝は雛に急に後ろから抱きつかれ、その柔らかさと体温に動揺してしまった。昼間と夜では抱きつく訳が違う。

「ほんとにいない……?」

「うん。いないよ」

と、雛から安堵のため息が漏れる。

まさか、これ……誘われてる?
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