涼×蘭
雛から離れ、雛の手に自分の右手を重ね、左手は雛の頭を撫でる。そして雛が安心するように、目を見ながら言う。

「百合は家族だし仲良しだけどそれ以上に雛が大好きだよ。愛してる」

それを聞いた雛は一瞬驚き、すぐにいつもの笑顔に戻った。

「うちも大好きだよ。一輝に負けないくらい、一輝の事が好き」

雛はその言葉と共に俺の方にもたれ掛かる。

「だから、百合さんに嫉妬しちゃった」

えへへ、と自嘲気味に雛が笑う。
思えば、確かに俺と百合は仲が良すぎるのかもしれない。
百合と雛と俺、この組合わせでのデートが雛に不安を与えているのかもしれない。
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