涼×蘭
雛が背伸びしたベビードールを来て寝ていても、良い雰囲気になっても、俺が何もできなかった。
その時が来るまでは、雛に何もしない。
この誓いが邪魔をする。いや、もしかしたら雛よりも俺が、この俺が純粋すぎるんじゃないのか……?

「かーずきっ!」

「おあふっ?!」

腕に雛が絡み付く。今日もバッスルから覗く四段フリルが豪華なピンクのワンピースに緩い天パはそのままに、リボンのカチューシャを付け、クルー丈ソックスにピンクの靴を履く雛は相変わらず可愛い。しかし、パニエにはあり得ない、腕に当たる程よい弾力、かつ柔らかい物はあれだろうか。
あれ、なんか視界が……?

「ちょっ、えっ? 一輝!? 大丈夫? どうして鼻血を出してるのっ?!」

「……へへっ」

雛に抱きつかれ、鼻血を出しながら倒れた俺は思った。

何もできないのはやっぱり、俺が純粋すぎるからだわ。
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