涼×蘭
「よう」

「え? えっ、あ、せっ、先輩っ!」

玲に後ろから声をかけると玲が一気に後ずさる。……驚かせてしまったのだろうか?

「あのっ、お疲れさまですっ!」

「お疲れ」

「あのっ、先輩のテニス、今日も格好良かったです!」

「? サンキュ」

必死に言う玲の後ろで涼の友人はなにやらにやついている。何故だ……。

「大翔先輩」

剣ヶ峰の頭を撫でる涼が俺を呼んだ。頭を撫でられる剣ヶ峰は猫じゃないもん……と呟いている。

「ん?」

「俺の家にそのまま来るんですよね?」

「あぁ」

俺と涼の家は少し遠いので一旦家に帰ってしまうと面倒くさい。玲の家はだいぶ近いようだが。
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