涼×蘭
「蘭、ほら」

「あー……んまーい!」

剣ヶ峰は涼が差し出した抹茶アイスを口に含む。というか涼は先程から剣ヶ峰の口にしか運んでいない。

「先輩、ストロベリー好きなんですか?」

「あぁ」

「チョコミント頼むと思ってました」

「チョコミント……」

「あっ、俺の勝手なイメージですけど……」

「……ん」

「えっ? 先輩っ!?」

「……美味いぞ」

ずいっとアイスを玲に差し出すと、玲は困ったように目を泳がせる。ああ、スプーンが無いのか。

「……ほら」

「そ、えっ? い、良いんですか?」

スプーンを差し出したのに玲はさらに動揺している。何故だ。

「嫌か?」

「いえっ、あの、いただきますっ!」
< 762 / 766 >

この作品をシェア

pagetop