スノウ
それが少し前の出来事だ。

今僕は何処にいるのかと言えば。それは上手く答えられない。

と言うのも傾斜がある事に気付かずに、僕は足を滑らせてしまったようだ。

寒いし身体中はズキズキと痛む。おまけに此処は人気のない森の中。

助けを求めることだって出来やしない。

そんな僕に残された道はきっと“死”だけなのかもしれない。

まさか突然こんな場所で自分が死ぬ事になろうとは。想像もしなかった。

兄は無事なのだろうか。

いや、それ以前に僕みたいに死に直面していないだろうか?

それだけが心残りだ。兄は僕の親代わりのような存在だから。
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