スノウ
真っ暗な世界。月も星も何も見えない。

その時だった。僕の体に冷たい何かが降りかかったのは。

雨なのだろうか?うっすらと視界に入るのは白い塊。

どうやら今降っている物は雪のようだ。

僕は雪が大嫌いだ。そんな雪が降るなんて。

神様に対して僕は罰当たりな事でもしたのだろうか?

そうでなければこんな最悪なシチュエーションで死ぬ筈がないから。

ああ、こんな死に方なら大人しく兄を家で待っているべきだったのだろうか?

そんな事を考えていたら、僕の目の前に気付かぬ間に誰かが立っていた。

思考がだんだん遠ざかっていく中でも、僕の目にはしっかりと焼きついた。
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