スノウ
それは女の子の姿をしていた。

雪のように真っ白いショートカットの髪と肌。

こんな思考回路だったから瞳の色までは分からなかったけれど、

寒いのにやけに薄着で白い長袖のワンピースを着ていたのは分かった。

彼女はきっと僕を向こうの世界へと案内をする天使なのだろう。

そうでなければ崖下に……しかも、薄着で来るなんて事はないから。

もうこれで僕の人生もお終いなんだな。そう確信した。

だからこの世界にいられる間に一言だけ言っておこう。

言わなければきっと僕はこの世界に幽霊として留まってしまうから。
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