僕の明日みんなの明日
僕の家は班の中で一番遠いから最後は先生と二人になってしまった。けれど運よく一緒に帰る先生は川内先生だった。本当なら家が近くなったら先生は学校に戻らないといけないみたいだったけど、先生は心配だからと家の前まで送ってくれた。

『浩太君、大丈夫?お父さんが帰ってくるまで浩太君一人なんでしょ?お父さんが帰るまで先生が一緒に居てあげようか?』

『大丈夫だよ。ちゃんと戸締まりもするし、それに何かあったらいつでも隣のおばちゃん家に行ってもいいって言われてるもん。』

『そう?じゃあ先生は帰るけど、何かあったらすぐに誰かに言うのよ。あ、これ先生の携帯番号だから困ったらいつでも電話してね。』

先生は携帯番号のメモを渡して学校に戻った。本当は一緒に居てほしいけど、先生に弱虫と思われるのも嫌だったからグッと我慢した。家に入ると時計の針は5時を過ぎていた。部屋に行きランドセルを置いた後、台所に行き昨日お父さんが作ってくれたカレーを温めてから食べた。それから部屋に戻って宿題を終わらして、毎週欠かさず見ているTVを見た。

しばらくボーっとテレビを見ていて、気が付くと夜の9時近くになっていた。お父さん遅いな、いつもなら7時には帰ってくるのに…。そういえば今日は遅くなるって言ってたっけ?お父さんが帰るまで待っていたかったけど、仕方ないから僕は先に寝ることにした。
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