僕の明日みんなの明日
各務さんは歩君の手をにぎりしめ、桜さんに話し掛ける。
『私はずっと桜に聞きたいことがあった。聞けずにいたけど、やっと聞くことができる。私といて幸せだったかい?』
『何よそれ、昭人はアタシの口から言わせるの。』
『頼む言ってくれ。』
『昭人はいっつも言わないとわからなかったよね。』
『すまない、しかしいつも不安だったんだ。君はいつも私の高価なプレゼントを決して受け取ってくれない、それは財産目当てと思われるのが嫌だったからだろ。だから私は手作りの写真立てを贈ると、君は怒って川に捨てた。機嫌は直してくれたけど、怒った理由が今でも分からない。』
『あれは誕生日でもないのにプレゼントばっかりしてくるからよ!』
『初めて桜と会ったとき、元気で可愛い君に一目でひかれたよ。けれど私は君の倍ほど歳をとっている、こんなおじさんなんて見向きもしない、叶わない恋だと思っていた・・・それなのに叶わない恋がいきなり手に入ってしまったらどうだろうか。私には自信がなかったんだ、金や権力を取ったら私には君を愛しているという事以外何も残らないから。』
『アタシと付き合うのに愛以外に何が必要なのよ、アタシはお金や権力が欲しくて昭人と付き合ってたんじゃない!本当に何もわかってないわね・・・あなたといて幸せだったに決まってるじゃない。』
『桜・・・』
『お願いだから、自分を責めるのはやめて。昭人と付き合ったのも、あの日一緒にドライブに行ったのも全部アタシが決めたことなの。アタシが死んだ事も誰の責任でもない、アタシの運が悪かっただけ。昭人は何も悪くないよ。』
『ありがとう、桜。』
歩君の体から桜さんが出てきた。もう終わりかと思ったけど、各務さんには桜さんの姿が見えるみたいだ。
『さくら?桜、君が見える。』
『本当?最期に奇跡が起こったね、アタシそろそろ逝かなくちゃ。』
『行かないでくれ、せっかく会えたのに。』
『ごめんね、昭人が幸せに生きてこの世とお別れする時になったらまた会えるよ。天国で待ってるから今度は同い年に生まれようね。浩太、歩、ありがとう。さようなら。』
桜さんは笑顔で手を振りながら逝ってしまった。
『私はずっと桜に聞きたいことがあった。聞けずにいたけど、やっと聞くことができる。私といて幸せだったかい?』
『何よそれ、昭人はアタシの口から言わせるの。』
『頼む言ってくれ。』
『昭人はいっつも言わないとわからなかったよね。』
『すまない、しかしいつも不安だったんだ。君はいつも私の高価なプレゼントを決して受け取ってくれない、それは財産目当てと思われるのが嫌だったからだろ。だから私は手作りの写真立てを贈ると、君は怒って川に捨てた。機嫌は直してくれたけど、怒った理由が今でも分からない。』
『あれは誕生日でもないのにプレゼントばっかりしてくるからよ!』
『初めて桜と会ったとき、元気で可愛い君に一目でひかれたよ。けれど私は君の倍ほど歳をとっている、こんなおじさんなんて見向きもしない、叶わない恋だと思っていた・・・それなのに叶わない恋がいきなり手に入ってしまったらどうだろうか。私には自信がなかったんだ、金や権力を取ったら私には君を愛しているという事以外何も残らないから。』
『アタシと付き合うのに愛以外に何が必要なのよ、アタシはお金や権力が欲しくて昭人と付き合ってたんじゃない!本当に何もわかってないわね・・・あなたといて幸せだったに決まってるじゃない。』
『桜・・・』
『お願いだから、自分を責めるのはやめて。昭人と付き合ったのも、あの日一緒にドライブに行ったのも全部アタシが決めたことなの。アタシが死んだ事も誰の責任でもない、アタシの運が悪かっただけ。昭人は何も悪くないよ。』
『ありがとう、桜。』
歩君の体から桜さんが出てきた。もう終わりかと思ったけど、各務さんには桜さんの姿が見えるみたいだ。
『さくら?桜、君が見える。』
『本当?最期に奇跡が起こったね、アタシそろそろ逝かなくちゃ。』
『行かないでくれ、せっかく会えたのに。』
『ごめんね、昭人が幸せに生きてこの世とお別れする時になったらまた会えるよ。天国で待ってるから今度は同い年に生まれようね。浩太、歩、ありがとう。さようなら。』
桜さんは笑顔で手を振りながら逝ってしまった。