僕の明日みんなの明日
桜さんの家に着くと桜さんのお父さんとお母さんがいた。

二人は各務さんを叱った。桜さんが死んだことに怒ったんじゃなくて今まで家に来なかったことに怒った。

三人がよく話合った後、各務さんは今日起こったことを二人に話した。桜さんの両親は始めは驚いていたけど、桜さんが無事に成仏した事を聞くと安心して胸をなで下ろした。

桜さんの部屋に行くと各務さんは驚いていた。机の上に川に捨てたはずの少し汚れた写真立てがあったからだ。

写真立てには、各務さんと桜さんが手を繋いで仲良く写っている。各務さんは嬉しそうに写真立てをにぎりしめ、桜さんにお礼を言った。

桜さんの両親にお別れをして僕たちは家を出た。各務さんに歩君の家まで送ってもい、各務さんから「困ったらいつでも相談してくれ」と携帯番号の書いた名刺を貰った。

各務さんが帰って、歩君は僕に家に寄って行かないかと言ってくれた。だけど、もう日が沈みそうだったから遠慮して、歩君と別れた。

その日は自分の家に帰える事にした。この家で恐いこともあったけどそれ以上に楽しかった想い出がある。そう思えるようになったのは桜さん達のおかげだ。
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