僕の明日みんなの明日
家に帰った後、今自分がすべきことを考えた。自分ができることがしたいと言ってから、いや浩太に会ってから他人事が自分のことみたいに真剣に考えるようになった。

次の日、俺は学校の図書室で十年前の卒業アルバムを探して石原拓海を探した。ラッキーなことに住所も書いてあった、放課後に石原の家に行った。

家を訪ねると出てきたのは中年の女性で、どうやら石原の母親のようだ。卒業生にインタビューをしていると偽って石原の居場所を聞いたら、今もこの家に住んでいるらしい。

俺は帰ってくるまで家で待たせてもらった。しかし、3時間待っても石原は帰ってこない。しょうがないから帰ろうとして庭を出ると、誰かにぶつかり転んでしまった。

相手はごめんと謝りながら手を差し出し、起こしてくれた。ぶつかった相手は二十歳ぐらいの男でどっかで見たような顔だった、少し考えながら顔を見つめると思い出した!石原拓海だ。卒業アルバムより大分大人っぽくなってるけど、間違いない。

『どうした?俺の顔に何か付いてる?』

『いや、あの、石原拓海だよね?』

『そうだけど、どっかで会ったかな。』

『初めて会うけど・・・』

やばい、どうやって松田のことを説明したらいいんだ。幽霊の松田が会いたがってるなんて、信じないよな。

『俺に用があるのか?』

『あるんだけど、約束。そう、十年前に誰かと何か約束しなかった?』

『十年前?』

『そう、詳しく言うと小学校を卒業した日。』

『いや、してないな約束なんて。』

『そんなことないって、松田貴斗と約束しただろ。』

『してないって言ってるだろ!』

石原は怒って家に入ってしまった。なんだよ、怒ることはねぇだろ俺は腹を立てながら家に帰った。
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