僕の明日みんなの明日
話す為に来たんだけど、急に2人っきりにされると少し緊張するな。石原も呆然としていて、やっと我に返ったみたいだ。

『お前は何者なんだ?変な話をしに来たと思えば、各務グループの副社長と一緒に現れるなんて…。いったい何が目的なんだよ、俺に何をさせたいんだ?』

石原は頭を抱えながら訴えかけるように話してきた。

『俺の目的は一つ、あんたに松田との約束を守らせることだ。』

『またその話か!?いい加減にしてくれ。なんでお前が貴斗のことを知ってんだよ。アイツは十年前に死んだんだ!その上約束のことまで、俺達しか知らないはずなのに誰に聞いたんだ!』

『つい最近松田本人にだよ。』

『何!?お前俺の話を聞いてなかったのか?貴斗は死んだんだよ!じゃあ何か、お前は貴斗の幽霊にでも会ったとでも言うのか?』

『そうだ。』

『馬鹿か、お前は。幽霊なんて居るわけないだろ!』

『それはあんたに見えないだけで、幽霊は存在するんだ。その証拠にあんた達しか知らないことを知ってるだろ。』

『俺はお前の作り話に付き合ってる暇は無いんだよ、じゃあな。』

石原は怒って部屋を出て行ってしまった。石原は絶対に俺を信用していない、これじゃあ松田と会わせるなんて無理だ。結局俺には何もすることができないのか…。
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