僕の明日みんなの明日
石原はビンから二枚の手紙を取り出し、一枚を俺に突き出した。
『な、何だよコレ。』
『お前が読め。』
何で?と思ったが、石原の真剣な目を見たら聞けなくなり黙って従った。
『「拓海へ。十年後の君はどうしてる?僕は今も君の側にいるかな?もしそうならありがとう、違うならごめんなさい。拓海には言ってなかったけど、僕は心臓が弱くて約束の年まで生きる事ができないと言われてたんだ。だからこの手紙を書くとき、このことを話すかどうか迷ったけど、黙ってることにした。これは僕にとって賭けなんだ、拓海との約束の為に何が何でも生きなきゃ!そう思うことで頑張れると思ったんだ。だからもし近くにいるなら僕とキャッチボールをしようよ、ここまで生きられたならきっとできるよね?実はこの時の為に神社の境内の下にグローブ2つと、ボールを一つ黄色い箱に入れて隠しておいたんだ。松田貴斗より。」』
手紙を読み終えると、石原は神社の境内に走り出した。そして、黄色い箱を持って戻ってきた。俺の前で箱を開けて中を覗くと、手紙の通りに汚れた小さなグローブが2つとボールが1つ入っていた。
『貴斗のやつ、子供用のグローブじゃねぇか。こっちはもう二十歳過ぎでるんだよ・・・。』
『拓海ごめんね、グローブは自分のやつを隠したんだ。そういえば大人になってるって事を考えてなかったよ。柴原君、拓海の手紙を読んでくれない?』
『分かった。石原、お前が書いた手紙貸してくれよ。』
石原は少し躊躇したがビンから残りの手紙を取り出して俺はそれを受け取った。けれど中身を見て唖然とした、白紙だ。手紙には一文字も書かれてはいなかった。
『な、何だよコレ。』
『お前が読め。』
何で?と思ったが、石原の真剣な目を見たら聞けなくなり黙って従った。
『「拓海へ。十年後の君はどうしてる?僕は今も君の側にいるかな?もしそうならありがとう、違うならごめんなさい。拓海には言ってなかったけど、僕は心臓が弱くて約束の年まで生きる事ができないと言われてたんだ。だからこの手紙を書くとき、このことを話すかどうか迷ったけど、黙ってることにした。これは僕にとって賭けなんだ、拓海との約束の為に何が何でも生きなきゃ!そう思うことで頑張れると思ったんだ。だからもし近くにいるなら僕とキャッチボールをしようよ、ここまで生きられたならきっとできるよね?実はこの時の為に神社の境内の下にグローブ2つと、ボールを一つ黄色い箱に入れて隠しておいたんだ。松田貴斗より。」』
手紙を読み終えると、石原は神社の境内に走り出した。そして、黄色い箱を持って戻ってきた。俺の前で箱を開けて中を覗くと、手紙の通りに汚れた小さなグローブが2つとボールが1つ入っていた。
『貴斗のやつ、子供用のグローブじゃねぇか。こっちはもう二十歳過ぎでるんだよ・・・。』
『拓海ごめんね、グローブは自分のやつを隠したんだ。そういえば大人になってるって事を考えてなかったよ。柴原君、拓海の手紙を読んでくれない?』
『分かった。石原、お前が書いた手紙貸してくれよ。』
石原は少し躊躇したがビンから残りの手紙を取り出して俺はそれを受け取った。けれど中身を見て唖然とした、白紙だ。手紙には一文字も書かれてはいなかった。