僕の明日みんなの明日
お父さんは今の自分の状態が不思議でたまらないという顔で、こうなった理由を思い出そうとしている。僕は話そうかどうか迷った、お父さんが僕が死んだことを知ったらきっと悲しむだろうな。でも、僕は決めたんだ。これ以上この世界にいれない、成仏するんだって。

『お父さん、あのね・・・』

僕はあの日あったことをちゃんと話した、僕が幽霊だってことも。するとお父さんは笑って答えた。

『あはははは、浩太テレビの見過ぎだ。父さんを騙すのには十年早いぞ、幽霊なんているわけないじゃないか。』

お父さんは全く信じなかった。だから僕は真っ直ぐ歩いてお父さんとベッドをすり抜けて反対側に移動した。

『これでも信じない?』

お父さんは信じられないという顔で、口を大きく開いて驚いていた。

『嘘だろ!?じゃあお前は死んだのか?あの時殺されたのか?』

お父さんの質問に僕は頭を縦に振って頷いた。お父さんは右手で自分の目を覆って肩は震えていて、声は出してないけど涙を流している。泣いているお父さんは初めてだった、きっと生きている間には見ることはなかったと思う。だって涙の原因は今の僕、幽霊の僕だから。
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