僕の明日みんなの明日
どうしたらいいんだろう?訳が分からないまま次々に涙が溢れ出てくる。

『大丈夫?ショックだろうけど気をしっかり持って。あなたは病院に運ばれる前にはもう死んでいたのよ。こんなこと言うのは酷いことだけど、ちゃんと自分の死を受け入れて。』

看護士さんは励ましてくれた。僕は少しずつ今の現状を理解した。やっぱりあの時に僕は死んでしまったんだ。

『ねぇ、僕は家で死んだのにどうして僕はここにいるの?』

『それはたぶん、お父さんに憑いてきたのよ。死んだ人は死ぬ前に思う人や場所に行くものなの。』

『そうなんだ。そういえばお姉さんはどうして僕が見えるの?普通の人には見えないんでしょ?』

『そうね、普通の人間には幽霊は見えないわ。けれど私は生れつき霊感が強いの。そうゆうのが生まれる家系らしいのよ。あら、もうこんな時間。ごめんね、私そろそろ仕事に戻らないと。』

看護婦さんはそう言い残し部屋を出ていった。僕はお父さんの側に座って、お父さんの顔を眺めた。しばらくして部屋の外が騒がしくなった。誰かが何か言っているみたいだ。声はだんだん大きくなり、声の主は部屋に入ってきた。お母さんだ、それにお姉ちゃんも。

『お母さんお姉ちゃん。』

しかし僕の声は二人に聞こえず、僕の体を通り抜けていった。

『あなた!?どうして…。あの浩太は?息子はどこにいるんですか?』

お母さんはお医者さんに落ち着かない様子で聞いた。

『残念ながら、病院に着いたときにはもう。』

『そ、そんな…。』
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