ラブリーホーム*先生の青③




イチに そっぽ向かれる事は
堪えられないんだ




「こんなに好きなのに
なんでヤキモチなんか
妬くんだろ?
さっぱり分かんねー」



ぷって吹き出すように
カナは笑い



『泉はバカだから』



思い切り失礼な事を言う



「なんだよ、それ」



『泉は、
市花ちゃんが大好きだから
自分は悪くないと
思ってんでしょ?』



「……実際、浮気とか
イチを裏切る事してねーもん」



『だから、
そこがバカなんだって』



「なんでだよ」



『泉はいつもそう
何に対してもそう
自分の気持ちを中心に置くから
いらない摩擦が起きるんだよ』



カナの言ってる意味が分からん
それって つまりは………



「自己チューってことか?」



『まあ、そうだね』



「そんなこと」
『ないって
躊躇せず、はっきり言える
泉は自己チューなんだよ』



むむむ
とオレが黙り込むと
諭すようにカナは言った



『こんな風に
すぐ私に頼れるくらい
泉は市花ちゃんの気持ちを
全く考えてない』



そんなことねーよ


オレはイチのために
イチが今オレに対して
何を望んでるのか
真剣に考えてるから
相談してるのに



あの夜だって
イチにうちの家庭のいざこざ
いらない事を
言わなくていいように



自分の気持ちに
クッション置くつもりで
カナの家に行ったのに



(結果的に飲み過ぎて
イチに迷惑かけたけど)



全ては
イチを想っての行動なのに




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