ラブリーホーム*先生の青③




リビングに青波と二人きり



………うん?なんだ?
妙に緊張する
違和感があるぞ



そういえば
夜泣きは何度か見たけど
イチのいない部屋で
青波と二人きりって
珍しいかも



ソファーに座り
車のオモチャにまたがり
リビングを走り回る青波を
目で追う



……青波って
意外と1人遊び得意な
いい子だな



ゴー、ゴー
タイヤが転がる音がする



ふぅ。と
ちょっと一瞬 目を放した隙



――――――――ガコッ



何かがぶつかった音と



「……う、うぎ――――――」



青波のデカイ泣き声



なんだ!?
そう思って顔を上げると
縦にひっくり返った車と
床に転がる青波がいた



なんだよ、コケたのか



「青波、大丈夫か?」


「ふぎ――――――
じゃじゃじゃ~い~」


大きな声で泣く
青波を抱っこして
よしよしと 揺すり


「どーこ痛くしたんだ?」


「んぎ―――――――」


「はいはい、痛かった
よしよし泣くな」


……あんまり泣かせたら
イチが起きてくる


ったく、やっぱり
パパに任せられない。
ってイチは言葉ではなく
視線でオレにぶつけるだろう



「そうだっ!青波くん
飯、昼飯にしよう!
パパが美味しい納豆ご飯を
作ってあげよう」



ぐずぐずする青波を
抱っこしたまま
キッチンに入る



食い意地はった青波は
冷蔵庫の中を見せりゃ
泣き止むはずだ




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