ラブリーホーム*先生の青③
いきなり出かけて
帰ってきて
布団買ってきて
……ダメだ
なんか言いたいことが
色々ありすぎて
何一つ出てこない
布団を持ち上げると
背中の青波が
手足をバタバタさせ
「あっじゅー?うっじゅー?」
と意味不明な言葉で
それは何か?と訊ねてくる
寝室で青波をパパに預け
梱包をほどき
「こんなの持って
マンションの階段登って
落ちたらどーすんのよ?」
「バカにすんなって
これくらい大丈夫」
今にも布団に突進して来そうな青波を抱きかかえ
パパは満足そうな顔をする
大きな布団に
カバーを着けると
やっと解放された青波が
「んきー」と声を上げ
布団を転がった
……あんた、さっきまで
さんざん くずってたクセに
「へっへっへっ
気に入ったか?青波」
腰に手をあて
キャッキャッ笑いながら
布団を転がる青波を見るパパに
「どーしたのよ、これ」
急にダブルサイズの布団なんか
「どーしたってお前
今夜からここで
一緒に寝るんだよ」
「一緒に寝るって
私と青波が?」
「違う、違う。
オレとイチが……だったけど
この調子なら3人でだな
川の字?」
か、川の字?
ちょ、ちょっと待って
なんで いつの間に
一緒に寝ることに
なってんの?