ラブリーホーム*先生の青③




「まさかとは思うけど
先生って、ここで寝るつもり?」


口元を引きつらせ
先生を見つめると


「もちろん
なんで、まさかって言うの?」


当然と言わんばかりの
その態度に
「だって」と声が大きくなる


「青波、夜泣きするよ?
寝不足で授業中
ぼんやりならないように
寝室分けたのに」


「……アトリエじゃ狭くて
寝れないんだよ」


「じゃ、郁弥くんがいる間だけ
ここに寝るってこと?」


「いや」


先生は真面目な表情になり
一度 言葉を区切って
私に言った


「これを機会に
一緒に寝ようよ」


「―――――――……っ」


冗談じゃない


そう言いそうになって
口をつぐんだ
さすがに言い過ぎになる


一緒に寝るってだけが
なんでこんなに嫌なのか


もちろん
外で仕事してる先生を
寝不足にさせたくないし


それ以上に
私は心が狭いから


夜泣きする青波を
あやす隣で
ぐうぐう眠られたら
絶対イライラする


手伝ってくれないなら
違う場所で寝て欲しい


かといって
先生に手伝ってもらって
ふらふら寝不足で
仕事に行かれちゃ
たまらない気持ちになる



先生が心配ってこと以上に
1人で育児をこなせないという
変なプライドが傷つくんだ




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