ラブリーホーム*先生の青③
「なんで、急に」
一緒に寝ようなんて
「……別々の方が不自然だろ」
低い声で呟いてから
急に明るい声を出し
「青波くーん」と
布団に寝転がり
先生は青波を抱きしめた
「青波だって
パパと寝たいよな?」
先生に頬擦りされ
青波は身体をよじって笑う
……そんなこと言って
やっぱり青波がうるさいって
自分の部屋に先生が戻ったら
私、多分 1週間は口きかないぞ
「はぁ……」
ため息ついて
ふかふかの布団を撫で
「……これ羽毛だね
いくらしたの?」
そう言いながら
徐々に不安になる
ちょっと待って
お金は?
「先生、へそくりとか
あったっけ?」
「ある訳ねーだろ
カードだよ、カード。
来月引き落としだから
よろしく~」
「なんだって――――っっ!」
思わず大きな声を出し
布団に寝転がる先生の上に
馬乗りになり
胸ぐら掴んで
「なんて言いました?
なんて言いました?
今、先生、なんて言ったのっ?」
来月引き落としだと?
よろしくだと?
この布団
何千円の世界じゃないよね?
「待て待てイチ
大丈夫だから」
「大丈夫って何が大丈夫なのっ
来月、急に先生の給料が
アップするとかっ?」
「ちが……違うけどっ…」
「だったら、どーすんのっ?」
「とりあえず
この手だけ離してくれっ」
胸ぐらを掴んだ手は
爪が白くなるほど
ぐぐぐって力がこもってた