ラブリーホーム*先生の青③




手は離したけど
先生のお腹に乗ったまま


「何がどう大丈夫か
説明してください」


私ににらまれて
なぜか先生は嬉しそうだ


「郁弥、預かるだろ?
もちろんタダじゃないよ
親父から月曜日
10万振り込まれるよ」


「じゅー……って」


多すぎるでしょ


「え?郁弥くんって
そんなに長い間預かるの?」


「いや、2週間くらいだろ」


……2週間で10万もいらないよ


「ちょっと、ちょっと
断ってよ、先生」


「え?郁弥を?」


「違うって、お金だよ
そんなにいらないし」


「迷惑料だろ
いいんじゃねーの?」


やだ、もうクラクラする


良くないだろっ
うちはホテルじゃないし
なんで弟を預かるのに
そんなお金………


「つーか、オレ風呂入りたい
用意できてる?」


よっ、と先生が起き上がり
馬乗りになってる
私の後ろ頭を掴み
チュッと唇を合わせた



カァ――――――って
顔が熱くなる


先生は後ろに手をつき
私を見つめ
「あ、照れてる」とからかった


「違うっ!怒ってんのっ!」


「またまたぁ
素直になれよ、奥さん」


「バッカじゃないっ!」


ついて行けない
本当について行けない


ギャイギャイ
ケンカする私たちに
お構い無しで
青波はずっと機嫌よく
布団を転がってた




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