ラブリーホーム*先生の青③
青波を挟んで
身体を向き合い
見つめ合う………って
別に見つめ合ってる訳じゃない
目の前に たまたま
お互いがいるだけだ
「……そうやって
青波を抱きしめてて
疲れない?」
もしも先生の言う通り
抱きしめてやれば
青波が夜泣きしないにしても
一晩中、抱きしめて眠るなんて
絶対に身体 疲れちゃうよ
先生は フッ……って笑い
「疲れないよ
オレが過去に何度 一晩中
イチを抱きしめて眠ったか……
イチと比べりゃ青波なんて
ぬいぐるみみたいに楽だよ」
先生の言葉に
ブゥと頬がふくらむ
笑みを浮かべたまま
先生の腕が伸びてきて
ふくらんだ私の頬を
人差し指で突っついた
「過去のことは
もう忘れました」
結婚する前は
……まあズルいところは
多々あったけど
それでも素直に甘えたり
出来たのに
今では どうよ?
一緒の布団にいることさえ
ソワソワする
頬を突っついた
大きな手のひらが
頭を包み撫でていく
何となく くすぐったくて
だけど やっぱり
イライラして
目を伏せ 素っ気なく言った
「……もう寝たら?」
「うん」
低い声で言った
先生の表情は見なかったけど
頭を撫でる手は止まらず
少し力が強くなった