ラブリーホーム*先生の青③
「う―――っ」
明日いよいよ郁弥くんが来る
そんな日の夜
夕食後、リビングで
青波と歌を歌って遊んでると
ソファーに座り
マンガを読んでた先生が
唸りながらベキボキ
首をまわした
「先生、今スッゴい音したよ」
「うん?あー、うん」
先生は曖昧な返事をして
本を閉じソファーにポイと置く
いつもなら
読まないなら しまって
と怒るところだけど
ダブルの布団を
買ってきた日から
先生はちゃんと
青波を抱きしめて寝てる
そのおかげか
夜泣きは半分ほどに減った
そんなことで軽減するんだから
誰かさんに似て青波も単純ね~
って思ってたけど
やっぱり毎日 同じ体勢で
寝てる先生は肩がこるんだろう
「揉んであげようか?」
私の言葉に、ナゼか
先生は目を丸くした
「なんで驚いてるの?」
「え、いや、だって
イチがオレに優しいなんて
珍しいなぁって」
「………ケンカ売ってる?」
「いえいえ、イチ様
めっそーもございません」
……まったく
それじゃ私が鬼嫁みたいじゃん
ムスッとして
先生の後ろに回り
肩を揉むと
パパとママ何してんの~?
って感じで
青波が近寄ってきて
先生のひざに乗った
青波の頭をわしわし撫でながら
先生はフッと笑い
「なに笑ってんの?」
そう訊くと
「いや、何でもないよ」
って誤魔化して
なんで笑ってるのか
何度か訊いても
楽しそうに「秘密」と言って
教えてくれなかった