ラブリーホーム*先生の青③




郁弥くんは
私の想像していた子とは違った



見知らぬ兄夫婦の元へ
預けられるんだから
相当、緊張して来るかと
思いきや




部屋に荷物を片付ける
郁弥くんに青波がさっそく
テケテケ近寄り



「あ、青波!
郁弥くんの物
触ったらダメだよ」


青波を止めようと
私が動くより先に郁弥くんは
床に広げたバッグから手を放し



「青波くん、こんにちは」


ニッコリ笑って
青波を抱き上げ


「お兄ちゃんだよ
仲良くしてね
……って、あれ?
ボクはお兄ちゃんじゃなくて
叔父さんかぁ?」



郁弥くんの言葉に
先生は吹き出して笑い



「良かったなぁ、青波
お兄ちゃんに遊んでもらえよ」



………なんか、拍子抜け
私だけが肩に力入ってさ
男子みんな打ち解けてるし




青波を高い高いする郁弥くんは
小学5年にしては小さく
3年生くらいに見えた



生まれつき色素が薄いんだろう
茶色い髪に茶色い瞳、白い肌は
女の子みたいだ



じっと郁弥くんを見てたら
その視線を感じたのか
郁弥くんも こちらを向いた



目が合って気まずく思った瞬間
郁弥くんは笑顔を返してくる



とっさに私も笑顔を作ったけど
引きつったのが
自分でもわかって



………やだ
郁弥くんは あんなに自然なのに
私、ダメじゃん………




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