ラブリーホーム*先生の青③
論点がズレてる
何よぉ~何よ
せっかく先生の事
1mmくらい見直したのに
マジメな話に乗っかって
チューしようとすんな
サイアクー
「……ふ、ふんだ
だったら、へそまがりに
チューなんか
しなきゃいいじゃん」
プイッて そっぽを向き
「そ、そういえば
カナさんに報告した?
無事に弟を迎え入れましたって
先生は何もかもカナさんに
相談しなきゃダメだもんね」
言ってしまって激しく後悔
私のバカ…………
そっぽを向いたまま
心の中で後悔すると
ぷぷぷ
って先生の笑い声が聞こえて
「ホンッとーに
面白いコだねぇ、イチは」
「……面白いって」
笑われて
キッとにらむと
よしよし頭を撫でられて
「物事は思ったより
単純だよなぁ」
先生は しみじみ呟いた
………?
何なんだろ、一体
眉を寄せると
先生は柔らかい表情を浮かべ
「へそまがりで
甘えんのが下手な奥さん」
背中に大きな手のひらが入り
そっと撫でられる
「チョビッと触ってから
寝たいんですけど」
耳元で囁かれると
ムゥ~って唇がとがる
悔しいけど
背中を撫でる先生の手のひらが気持ちいい
「………チョビッとね」
目を閉じて そう言うと
頬に唇が触れる
……物事は思ったより単純
力を抜けば、楽だな