ラブリーホーム*先生の青③




『そんなフツーでいいって』



の一言で終了でした


使えねー、うちのパパ



その時を思い出し
ガクーと肩を落とすと


青波にお得意の変がおを
披露しながら多田くんが


「誰かお客様でも来るの?」


「お客様っていうか
パパの弟がね」


「いい肉、
見分けてあげようか?」


「ホント?」


「うん。精肉のオバチャンに
鍛えられたからね
市花ちゃんにいい肉
教えたげるよ」


「やった」


まだ抱っこしてーって
嫌がる青波をカートに乗せ
多田くんはお肉コーナーへ
進んで行く



その背中を見て
若いのに……
私より年上だけど
確か21歳だっけ?
接客態度めちゃくちゃいいよな



顔もシュッと涼しい感じだし
近隣の主婦のハートを
わしづかみしてたりして



店員さんの間でも
きっと可愛がられる
タイプだよね






お肉コーナーの前で
講座を受けてから



鶏肉をカゴに入れ
「またね、青波」と
笑顔で手を振る多田くんに
手を振り返し、レジに向かう時




……ここがスーパーMishima
(三島家経営のスーパー)
じゃなくて良かったなぁ
と何となく思った






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