ラブリーホーム*先生の青③




郁弥くんのひざの上
金魚みたいに
青波は口を開けた



……ああ、もお、なんだか
恥ずかしい


赤面して小さくなる私の目の前


フォークに小さなかけらを乗せ
青波の口に運びながら



「スイートポテト
好きなんだね」


「おいしい?」


「お兄ちゃんだよ
お兄ちゃん
言ってみな?」



優しく話しかける
郁弥くんの姿



……お兄ちゃん、かぁ



「おんぢゃー?」


「違う、違う
お兄ちゃんっ!」


「おんっぢゃー?」


「お・に・い・ちゃ・ん」


「………ちゃー」




微笑ましい光景を見てると
お兄ちゃんっていいなぁ
なんて思ったりして



ポヤンとながめてると
視線に気がついたのか
ふと郁弥くんがこちらを向き
ニコッと笑う



………キュン


ん?キュンって何だ?
いや、だって可愛いし
兄弟って、いいなぁ



この調子なら大丈夫か


「ちょっと
お風呂掃除してくるね」


はーい
って元気な返事をする
郁弥くんと青波を残し
席を立つ



変に気を遣う必要はないのかも
フツーでいいんだよね
フツーで………




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