ラブリーホーム*先生の青③
♯10




ゴォー、ゴォー



午前中
青波をおんぶして
リビングに掃除機をかけてる時



……プルルル


ん?


手元のスイッチを切り
掃除機を止める


プルルル、プルルル……


「あ、やっぱり電話
鳴ってる」


はい、はいと呟きながら
受話器を取り
「はい、三島です……」
って出ると相手は
郁弥くんの通う
小学校の先生だった






青波を連れ
慌ててタクシーを拾い
郁弥くんの小学校へ向かった


学校からの連絡は
郁弥くんの体調が悪いので
早退させたいとの事だった


タクシーの中で
……どうしよう、
先生に連絡した方が
いいのかな?


でも、まだ よく分かんないし
とりあえず
状況を把握してからだ……





職員玄関の前で
タクシーに待っててもらい
校舎に入ると
事務の女性が
保健室に案内してくれた



授業中なのだろう
保健室に向かう途中
廊下は静まり返ってた




保健室のベッドに座った
郁弥くんはもう
ランドセルを背負ってて
帰る準備が整ってた



白衣を着た養護教諭が
状況を説明してくれて
それを聞いた私は愕然とした




郁弥くんは家に来た日から
ずっと
午前中、学校で腹痛を訴え
保健室にいたそうだ




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