ラブリーホーム*先生の青③




別に用事はないけれど
なんとなく
休日に皆でやって来た
ショッピングセンター



プラプラ歩いてると
通りかかってしまった
『子供の広場』と称された
滑り台などある子供の遊び場



私に抱っこされてた青波が
案の定、騒ぎ出して



「まんまっ!あー、あー」


必死に滑り台を指差し
アピールする


「えー、青波、行きたいの?」


……長くなりそうだな
郁弥くんもいるのにさ


少しうんざりすると


「青波くん、一緒に行こう」


郁弥くんがニッコリと
青波の頬を突っついた


「いーちゃあ」


郁弥くんの言葉に
青波もニヘーと笑う


「僕が青波くんと遊んでるから
泉さんと市花さん
買い物して来てください」


何ともまぁ、自然な動きで
郁弥くんは
私から青波を受け取る


つい うっかり
青波を渡してしまったけど


「そんな訳にいかないよ」


青波を郁弥くんに押し付けて
先生と買い物なんて


だけど、先生はあっさり


「そうかー?
マジ助かる、ありがとう
んじゃ、なんかあったら
コレでイチに連絡しろよ」


なんて、郁弥くんに
自分のケータイ渡してるし


「ちょっと……」


先生、そりゃないんじゃ
と文句言いかけた私の肩を掴み


「じゃ、郁弥
青波をよろしくな」


とスタスタ歩き出した


ちょっと、ちょっと
どーなってんの?


「いってらっしゃーい」


郁弥くんは青波を抱き
先生の背中に手を振ってた




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