ラブリーホーム*先生の青③




「あのさー
誤解されるよーな
ところがあったのは
謝るよ?」



青波を寝かしつけてくれた
先生とダイニングテーブルで
向き合う



テーブルの上の
オレンジの小さな灯りだけで
うつむいた先生の顔に
影が落ちると
とても疲れた表情に見えた




「だけどさ
たかがメールと名刺でお前
いちいち浮気………
あ、いちいちって
別にイチとかけた
寒いギャグじゃないからな」



いちいち
そんなことを言うあたり
少しムッとする



「……そう、それで
メールと名刺だけで
いちいち浮気疑ってたら
キリがねぇだろ


名刺見てキャバ嬢だって
わかったら
安心しろよなー


あっちにとって
電話もメールも
営業なんだからさ」



言いたいことを言って
先生はずずずーっと
お茶をすすった



「だけどムカつくんだもん
悔しくなるんだもん
仕方ないでしょ」



プイッとそっぽ向くと
「ふん」って
私を少しバカにするような
声が聞こえた



「オレが浮気なんて
できるわけねぇじゃん
青波だっているんだしよ」



「青波いなかったら
浮気するんだ」



「バカ
揚げ足取るなっつーの」



なんで?
なんで先生
そんなに上から目線なの?



まるで私が悪いみたいじゃない





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