ラブリーホーム*先生の青③
「なんだろう、これ
空の巣症候群?」
寝室のダブルの布団
青波の寝息を聞きながら
ものすごい脱力感を感じてた
先生は困った顔で
「イチは
よくやってくれたからな
感謝してます
ありがとう」
「別に先生のためじゃないよ
郁弥くんのためだもん」
はい、はい
と うなずきながら
先生は起き上がり
私の隣に潜り込んできた
ギュッと抱きしめられ
背中に先生の手が
滑り込んでくる
「……イチ、愛してる」
チュッと
柔らかい唇が
おでこに触れる
甘えた顔をして
可愛いなぁ、先生
「私も愛してるよ~
来年には家族も増えるし
仲良くしよーね、先生」
「うん。家族も増える、し?」
「んじゃ、おやすみ」
「ちょっ…、あれ?
イチ?それって」
「いや、なんかさぁ
生理が来てないなって
気がついて……」
「…………お、おおー
スゲェ!スゲェよ、イチ」
「しー!青波、起きる……」
「起きてもいいよ
ヤッタ、おめでとう、イチ」
おめでとう
そういえば
青波の時は
素直に喜べなかった
「大事にしなきゃなぁ」
って、さっそく
私のお腹を撫でたり
頬擦りしたり忙しい先生だ
「先生」
「うん?」
「ありがとう
ずっと、ずっと、ずっと
一緒にいようね」
楽しいことばかりじゃない
つらいことも たくさんある
だけど、だからこそ
泣いて、笑って
ケンカして、仲直りして
ずっと、ずっと、君と永遠に
*END*