ラブリーホーム*先生の青③
♯6




翌朝、パパが学校へ出かけ
青波にも食事をさせ
一段落したあと



私は彼女に電話をしてみた




ケータイを耳にあて
トゥルルルル、トゥルルルル……
呼び出し音を聞きながら


………今、忙しいかなぁ?


なんて思ってると


「はい、もしもし」


あ、出た



「もしもし?絆?元気だった?
ごめんね、急に電話して
今、大丈夫?」



「うん、大丈夫だよ~
市花も三島先生も元気?
青波くんも
大きくなったんだろうねぇ
会いたいなぁ」



電話の相手は絆
高校の同級生


私は中退しちゃったけど
絆は卒業の後
30才年上の藤代さんと結婚して


青波とちょうど1つ違いの
6ヶ月の女の子
結永(ユエ)ちゃんのママだ



「結永ちゃんこそ
大きくなったでしょ?
こないだの写メ見たけど
絆にそっくりだよね」



「そーなの瓜二つ
パパがさぁ、ほら
もう50近くで出来た
初めて子供でしょ?

娘ってことも手伝って
溺愛ぶりがハンパないよ

仕事から帰って来たら
『結永ちゃん、結永ちゃん』
うるさくて

私、パパがいたら
結永を抱っこ出来ないんだよ

『結永ちゃんはパパのモノ』
って感じでさぁ~

だから私、結永を
お風呂にも入れたことないし」




スゲーな、藤代さん……




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