ラブリーホーム*先生の青③



廊下の電気をつけ
玄関を見て
声が出なくなった



「ちょっと泉、ちゃんと立って」



家の狭い玄関に
カナさんに肩を貸してもらって
何とか立ってる先生がいた



………なに?
………なんで?



なんで先生とカナさんが一緒にいるの?



「市花ちゃん」


カナさんに声をかけられ
ハッとして玄関まで進む



「ごめんねー
なんか泉、飲み過ぎて」


カナさんから
ダラリとした先生を受け取ると
ドサッと肩にものすごい重みと
アルコールの匂い



「このバカ、いつも
市花ちゃんに
迷惑かけてんでしょ?
本当に甘ったれで
ごめんなさいね」



先生は酔いつぶれてて
ダラリとしたまま
微動だにしない


気を抜けば
床に倒してしまいそうな
先生の身体をしっかり抱き止め
カナさんの言葉を聞いてた



……なんでカナさんが
そんなこと言うの?
先生の奥さんは私なのに
これじゃ まるで………



カナさんは苦笑いを浮かべ


「じゃ、その酔っぱらいのこと
よろしくお願いしますね」


そう言って
玄関のドアを開け
帰ろうとしたから



「あのっ」


私は慌てて口を開いた




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