ラブリーホーム*先生の青③
「…………」
何がなんだか。
いきなり
そんな事 言われても
無言でうつむいた私に
「ごめん。
迷惑かけて申し訳ないよ
青波もいるのに。だけど……
兄貴のところじゃ
郁弥が居心地悪い思いするの
目に見えてんだ。
母親は違っても弟だし
何とかしてやりたいんだよ」
「待ってよ
それじゃまるで
先生は最初から
預かりたかったみたい。
断るつもりだったって
言ったのに……………」
「いや、だからさ
イチに迷惑かけたくないから」
先生は目を伏せ
言葉に詰まった
………弱いんだよね
こーゆーのに。
先生は昔っから そう。
可哀想な子が好きなんだ。
行き場のない
可哀想な子を拾うのが好きで
そのせいで
周りや自分にどんな影響出るか
全然 考えない…………
そして、私も
拾われたうちの一人だ
ムカつく
腹がたつ
単なる偽善だ
「なぁ、イチ。頼むよ。
ほんの数週間だ」
やだ、嫌い。
嫌い、嫌い、嫌い。
「郁弥の学校も
兄貴のところより
ここの方が近いんだ
だから、頼むよ」
「……犬や猫を
預かるのと違うよ?」
のどが詰まって
絞るように声を出した
「……ちゃんと分かってんの?先生。旅行に行くからって友達のペット預かるのとは全然違うよ?」
「……分かってるよ。
だけど、オレの弟だ。
イチなら ちゃんとしてくれる
大丈夫って信じてるし」
………信じてる?
ふざけないでよ