ラブリーホーム*先生の青③
寝室でバフッと布団に潜る
暗闇で身体を丸め
ひざを抱いた
……バカみたい
……バカみたい
弟を預かる話もそうだけど
何で夕べカナさんと会った事
謝らないの?
別に謝ってほしい
訳じゃないけど
先生が困った時に
一番に話したい相手が
カナさんだって事
先生の中で当然って
思ってほしくないのに
謝らないし弁解もしないって
あり得ないから
………ガチャン
ドアが開く音がして
私の腰のあたり
布団の上から
先生は手を置き
「……イチ。もう少し
ちゃんと話そう。
ごめんな、本当に。
そんなにイヤか
郁弥を預かるの」
「……違うよ」
違う。先生は何も分かってない
「いいよ、イチ。
オレがムリ言ってんだから
また兄貴と話してくるよ」
「……違うって」
バサッと起き上がり
先生をにらんだ
「そりゃ小学生を預かるなんて
不安だし責任もてるか
分かんないけど
私が……………」
困った表情した先生を見ると
何で私の気持ちが
分かんないのか
先生は こんなに
鈍感な人だったっけ?
「……何でもない」
ため息ついて
また布団に潜った
自分で全部言うなんて
情けなさすぎだし