ラブリーホーム*先生の青③
こんなはずじゃなかったなんて
カッコ悪い事は思いたくない
「……先生はさ」
「うん?」
「……先生は、仕方なく
私と結婚したんでしょ」
言ってしまうと
涙がこぼれた
「先生はカナさんが
好きだもんね
カナさんが他の人と
結婚しちゃったから
仕方なく私と付き合って
仕方なく私と結婚したんでしょ」
「ハッ」って
先生の笑い声が聞こえて
バサッと布団がはがされた
「あー、そっか、そっか。
分かった、分かった」
納得するように何度か呟き
布団で丸くなる私の上
笑いながら覆い被さるように
先生は抱き着いた
「離してよっ………」
「なんで?なんでイチって
いつもカナに対して妬くの?」
ギュッと私を抱き
いい子いい子するように
頭を撫で
「こーんなに愛してるのに
ヤキモチってバカみたいだイチ」
先生に抱きしめられるのが
イヤで仕方ない
安心したように笑う
先生がムカつく
グイグイ
腕で抵抗しながら
「ヤキモチじゃないよ
先生は頭おかしい」
「ヤキモチじゃないなら
なんだよ?
昨日、カナといた事を
怒ってんだろ?」
「そうだけど違う」
バカは先生だよ。
全然 分かってない。