風が吹く中で
「じゃ、先行くから」


なんか居心地悪くていつより早めに席を立つ


「雅人、由岐さんも一緒に行ったら…」

「…」


「あの!私は後からゆっくり行きますから」


父親の言葉に返事する前に由岐が声を出した


「じゃ」


いきなり今までの距離を縮めるのにはまだ躊躇していることを由岐は分かってくれて、リビングを出る間際に振り向くと微笑む由岐の姿があった
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