先生のビー玉
『緊張のほぐし方。


なんてあるわけがない』

と書いてあったのだ。
思わず噴き出す佳奈。
後ろを振り返る池田。

「どうかしたか?」

「いえ、なんでもないです」

開いたときにもう一枚メモが入っている。
それを開くと…

『いつものお前で行けば必ずうまくいく。
頑張れ!』

と書いてあったのだ。
思わず涙がでそうになったのを必死で耐えた。

「よしっ、頑張ろう」

ボソッと気合を入れると、いつのまにか理事長室が目の前にあった。
池田がノックをし、中に入る。
すると、理事長らしき人物が座っている。

「今日、面接を受けさせていただきます、戸田佳奈です」

と池田が言うと、

「分かりました。
それでは始めましょうか」

事務長が一言いうと、佳奈を置いて池田は端っこに座った。

「どうぞ、お座りになってください」

理事長に言われ、

「はい、失礼いたします…」

礼をし、席に座る。
そして顔を上げる…

「っ…」

佳奈の目が見開いた。


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