先生のビー玉
すると…

「来年度の4月からも、その調子で頑張りなさい。
事務長、内定の手続きを」

「分かりました」

「ありがとうございますっ」

席を立つ事務長。
頭を下げる池田。
ポカンと部屋から出ていく事務長を見ていると、池田が頭を小突く。

「え?」

状況がつかめない佳奈。

「その調子で頑張りなさい。
また話し相手をお願いしますね。
それと、私が理事長だったからと言って、態度を変えないでくださいね」

と言われ…ただただ頭を下げる佳奈だった。

理事長室を出…

「おいっ、良かったな!戸田!!」

池田がテンションあがりまくりで喜ぶ。

「良かったんですけどね…とんでもないことしちゃって…」

「はぁ?」

「私、理事長の事…用務員のおじさんとばかり…」

「はぁ?」

「だって…いっつも作業服なんだもんっ」

「あ?あぁあぁ、理事長先生は生徒たちとふれあいたいんだよ。
それで、ああいう恰好をしてるんだよ」

「あぁ…穴があったら…入りたい」

呟く佳奈を一発小突き…

「まぁ、その性格が買われたのかもな。
素直に喜べ!」

と言われ、苦笑いの連続だった。

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