先生のビー玉

夏休み

夏休みに入って１週間。

「佳奈先輩、これ行きますよっ」

剣道部後輩マネージャー、友恵の後をバタバタとついてまわる。
朝８時に登校、まずは干してある胴着を中に入れ、水分補給の為の準備などやることが多すぎるのである。

途中、タオルを洗いながら…

「マネージャーって大変なのね…友恵ちゃん、一人でやってるの？」

「はいっ！」

と元気良く返事をする彼女。
以前は、剣道部に所属していたらしいのだが、怪我で続けることが出来なくなりマネージャーに転向したと貴子に聞いた。

仕事も一通り終わり、貴子たちが練習に入った頃には、道場の入口でうなだれていた。

「佳奈先輩、ちゃんと水分摂ってくださいね」

「あ、ありがと～」

隣にスポーツ飲料を持って来て座る友恵。
気配りもすごく効く子だ。

「こんなに暑いのによく動くよね」

驚いていると、

「今日は涼しい方ですよ。
それに、貴子先輩達に比べれば楽なもんですよ」

という彼女。
頭があがらない。
休憩時間が来、水分補給の手伝いをし、それが終わればまた補充。
それの繰り返しである。
昼前に学校前の弁当屋に二人で走る。
１５人分の弁当を買いに行くのだ。

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