先生のビー玉
「気にしなさんな。
きっと、うらやましいのよ」

と恭子がジュースを片手に歩いてきた。

「聞いてたの?」

「聞いてたって言うより、たまたまよ。
ほら、おごってもらおうと思ったけど、おごってあげる」

コーヒーを差し出す。

「ありがと」

「私がおごるなんて珍しいんだからね。
貴子には内緒よ」

二人でそう話しながら教室へ。
しばらくして貴子も戻ってきた。
牛乳を片手に。

「また牛乳?」

呆れた恭子。

「だから、体には良いのよ」

ニカッと笑って貴子は言っていた。
予鈴がなり、席に着く3人。
池田がやって来…ホームルームが始まった。

「みんな元気にやってきたみたいだな。
今日から2学期が始まるわけで…
就職活動もどんどんやっていってください。
徐々に内定者も増えてきています。
確かに就職難ですが、私たちもできるだけサポートしていきますので、頑張ってな。
じゃ、ホールに移動しますか」

始業式のために、ホールへと移動する。
途中、彼のクラスの前を通ったが…
会うことはなかった。

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