先生のビー玉
「え?いいんですか?」

驚いた佳奈、思わず聞き返すと…

「だからお前に頼んでるんだろ?
お前が来れば俺も安心だ」

「何それ?」

「そういうことだ」

「はぁ?ただ先生が指導しなくて済むだけってこと?」

「そうとも言う」

「何?いい加減だなぁ」

そう言っていると、

「俺のおまじないのおかげで内定したんだぞ」

「わっ、脅迫」

「うるさいっ」

二人で話していると…

「おはよう」

振り向くと…理事長が笑って立っていたのだ。

「おはようございますっ」

佳奈が深々と頭を下げる。
それを見て笑い…

「朝から元気がいいね。
良いことだ」

そう言い、去って行った。

「用務員の…おじさん」

噴き出しながら歩き出す彼。

「先生、それ内緒ですっ」

その後を追っかけた。


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