先生のビー玉
ほうっと深呼吸をし、パソコン室を見る…
が、誰もいないようだ。

「あれ?他は?帰ったのかな?」

それなら…と思い、戸締りをしようと窓際による。
とその時…

ドンッ

後ろから押された。
予想だにしなかった佳奈…思い切りこけてしまった。
周りに机や椅子があるため、ぶつかったのか肩や足が痛い。

「っ…」

振り向くと、絵里が仁王立ちで立っている。

「あんた何様?
どれだけ私を馬鹿にすれば気にするわけ?」

「馬鹿に…」

「してるじゃないっ
私は部長よっ、なのにどうして副部長のあんたがしゃしゃり出てくるわけ?
ワケがわかんないっ」

「だって、絵里は忙しいっ…ったぁ…」

「うるさいっ」

今度は倒れている佳奈の足を踏みつける。

「どうしてこんなこと…」

「あんたが悪いんでしょうがっ」

「私は何も…」

「文化祭、ずっと私はここにいるから」

絵里がそう怒鳴り、パソコン室を後にした。

「…」

絵里が怒るのも分かる気はするのだが、どうしてこんなことをされなきゃいけないのかが理解できない。

< 137 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop