先生のビー玉
「戸田?一体どうしたんだ?大丈夫か?」

切ろうとした貴子の電話を奪い取る彼。

「え?先生?あ…勝手に帰ってすみませんでした」

驚いている佳奈。

「ちょっとっ勝手に人の携帯をとるなっ。
今は、電話で話してる暇はないのっ」

そう言い、携帯を奪い取ると、

「そこで待ってなっ」

そう言って携帯を切り…

「心配だったら先生も一緒に来てよっ」

貴子の剣幕は…恐ろしく怖い。
彼…

「で、戸田はどこにいる?」

「駅の近くの公園」

「駐車場に行ってろ。
鍵取ってくるから」

そう言い、中に入る彼。
貴子は速攻で駐車場に向かった。

しばらくして駐車場に走ってきた彼。

「遅いっ」

貴子に怒鳴られながらも車に乗り込む彼と貴子。

「…しかし誰が?」

彼は皆目見当がつかないらしい。

「パソコン室で最後にいた生徒って誰か分からないの?」

「1、2年と…安藤」

「絵里?絵里もいたの?」

「…そう言えば、文化祭の常駐タイムスケジュールを組んでたんだ。
その時に、あえて安藤は入れなかったんだよ。
忙しいだろうからって…
その後、彼女が来て、どうして自分が入ってないのかって言ってたんだが…」

思い出したように言う彼。

「…それだよ。先生」

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