先生のビー玉
「恭子、ちょっといい?」

「何よ」

「ちょっとお話」

ある日の放課後、貴子が作業をしながら恭子に話しかける。
そして、彼の行動を話し始める。
ニヤニヤとニヤケながら聞く恭子。

「聞こえてないって…あの時は絶対。
それにさ、最近ちょっと違うんだって。
なんか…なんかさ、違うのよ」

と貴子が言うと、

「分かってるわよそんなの。
最近は部活に行ってないけど、佳奈に対する態度だけは違うもの」

と恭子。
さすがに1年の時から部活に居る恭子。
言葉に説得力がある。

「見ればわかるけど、絵里が部長なのに、佳奈ばっかり頼ってるでしょ?
それにさ、普通…貴子を待ってるのに、
『ここで待たないで職員室で待てよ』
なんて言う?普通言わないよ~」

佳奈が貴子を職員室で待ついきさつを話す恭子。

「まじ?マジィ~」

貴子が恭子を強打しながら興奮している。

「痛い、痛いってば。
それに、あの競技会のときだって…
あの子を意識してたでしょ?
誰だったっけ?
あぁ、滝川って子」

「そう!滝川孝司だったっけ?
佳奈にやたら言いよってた」

二人、競技会での田村の行動を思い出す。

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