先生のビー玉
「全く…全然理解してねぇ…
こっちは寝てるし」

戻ってきた彼、佳奈を見て小さなため息をつく。

「ま、こっちは助かってるからな」

そう言い、席に座って文化祭とは違う仕事を始める。

「ん…」

佳奈が、彼の方に顔を向けた。

「ん?何だぁ?」

自分に話しかけられたと思い、彼女を見た彼。
思わず佳奈の寝顔を見入ってしまっていた。

「無防備…」

思わず苦笑する彼。
と、その時…
パッと佳奈の目が開いた。
突然の事にあたふたする彼。

「…ね、寝ちゃってました…」

あわてて頭を起こす佳奈。

「よだれ…でてるぞ」

「う、うそっ」

「…うそだよ」

ボカッ

「イテっ」

「変なこと言わないでくださいっ」

そう言いながら彼を叩く佳奈だった。
それをパソコン室から見ていた由梨と貴子と恭子。

「こりゃぁ…いいもん見せてもらったわぁ~」

と恭子が言う。

「そうねぇ」

と貴子。

「わっ、恭子先輩、貴子先輩っいつ来てたんですかっ!」

「ん?今」

驚く由梨を尻目に…
二人はニヤけていた。

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