先生のビー玉
首を振る佳奈。
今の状況では、何も言う言葉が見つからない。

「…先生がそう言われたのなら仕方ないですね。
じゃ、佳奈はクラスに戻って」

と言われた佳奈。
大きく頷いて席を立った。
とその時である。

「佳奈先輩、トラブル~!」

と由梨が走ってきたのだ。

「そんなの自分で解決しなさい」

と絵里。
だが…

「だって、ソフトの事知ってるの先生と佳奈先輩だけなんです。
私たちだって一生懸命やっていますけど、いっぱいいっぱいなんです」

と由梨が訴えた。
絵里は何も言わない。
というか、言う言葉がないのだ。
自分がパソコン部に催し物をさせたのも、彼と一緒にいる時間が欲しかったから。
自分の一言が、部員全体にのしかかることなんて思ってもいなかったからだ。

「トラブルって何?」

佳奈がパソコン室に移動し始めた。

「じゃ、誰か他の人間を受付に回そうか」

と佳奈に言う彼。

「そうですね。
由梨、1年生を受付に出させてくれる?
トラブルは解決させとくから」

「はいっ」

そう言い、指示を出す由梨。
佳奈がパソコンの前で色々と操作を始める。
隣で彼が指示を出している。
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