先生のビー玉
それからしばらくしてまた走ってくる彼。

「ほい、駄賃。
好きなもの買って飲めや~」

という。
二人、顔を見合わせ、購買に並んでいるジュースを眺める。
貴子は牛乳。
佳奈はコーヒー。

「お前…健康的だな」

と歩きながら牛乳を飲んでいる貴子を見る彼。

「いいの。これが一番良いんだから」

なんて胸を張る貴子。

「俺、牛乳飲んだらハラ壊す」

と佳奈の隣で歩きながら言う彼。
思わずコーヒーを噴出しそうになる佳奈。
噴出した…貴子。

「わっ、きたねぇ」

と彼。

「先生がおかしな事言い出すからだよっ」

貴子が佳奈が差し出したハンカチで顔を拭きながら言う。

「しかたねぇだろ。体質なんだからよ」

とばつの悪そうな顔で言う彼。

「まぁ、得手不得手ってものがあるからね」

佳奈が貴子を見、笑いながら言った。



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